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問題解決記録集。

なぜ29.97fpsなのか

(2018.03.18 更新)

〓29.97fps?何でこんなややこしい数字なの?

 高柳健次郎氏がイロハの「イ」を初めてブラウン管に映し出して始まった日本のテレビ。テレビは映像を映し出す機器です。現在はデジタル方式のテレビですが、最初はアナログ方式のテレビでした。

 パラパラマンガによく例えられますが、映像は画像を連続して再生したもの、と言えます。30fpsの動画、というと1秒間に30枚の画像を連続して再生したものです。fpsは、「Frame Per Second」の略で、1秒間のフレーム数を表わします。画像をフレームと呼ぶことが、一般的なのかはちょっとわかりませんが、英語をカタカナ語に変換してるだけです。その他では、1コマ、など「コマ」で表現することもあったりしますが、英語ベースの「フレーム」がよく使われます。

 テレビに映像を映し出すためには、画像をそのまま出すのではなくて、「インターレース方式」という仕組みを使います。1フレームをくし状に2つに分解して、フィールドという形式にして、時間も1/60秒というさらに短い時間で出力しています。ややこしいですが、こうすることで、映像をきれいに表示できたようです。ただ、今だとフレームをそのまま表示したりいろいろな仕組みがるようですが、基本はこの仕組みです。

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 このような仕組みを利用した、アナログ方式のテレビ放送は、最初モノクロで始まりましたが、その後、カラー放送が始まります。色がつくことで情報量は増えることになりますが、モノクロ映像と同じ仕組みで再生すると、映像と音が1時間に3.6秒ズレてしまったそうです。この問題を解決するために、フレームを間引いていって、「29.97fps」にしたところ、ちょうどズレがなくなりました。「29.97fps」というナゾの数字はここで生まれたことになります。

その後、アナログ方式からデジタル方式に切り替わって、今に至るわけですが、「29.97fps」という規格はずっと残っているわけです。今だと「29.97fps」の他に「23.94fps」「59.94fps」など色々ありますが、こんなややこしい数字になったのは、同じようにアナログ方式時代の「ズレ」が原因というわけです。

 これでちょっとスッキリした気がしたんですが、別のややこしい話が出てきました。一般のビデオカメラの設定で、「30fps」と書かれているものが、実際は「29.97fps」で記録されている、というのは、見やすさ重視で簡単な数字に置き換えている、ということで仕方がないのですが、GoProやiphoneなど一部のカメラでは、「30fps」の設定だと「29.97fps」ではなくて、そのまま「30fps」で記録している、という場合があるのです。カメラ単体のみの素材で編集する場合は問題ないです。しかし、ひとつの場面を「30fps」で記録してるビデオカメラと、「29.97fps」で記録してるビデオカメラで同時に撮影して、その素材を編集ソフトに並べた時に、ズレたりするわけです。ズレを補正してくれるソフトもあるかもしれませんが、この仕組みを理解してないと、なぜズレるのかがわからない場合もあるので、要注意です。

 映像は本当にややこしいことが多くて困るんですが、理解することはやはり重要だと思います。もっと細かいことが知りたい場合は、以下の文献がきっと役に立つと思います。

 

〓音響映像設備マニュアル
学生の時に教科書的に推奨された本。音響ベースだが、映像のことも丁寧に書かれている。

 

〓痛快コンピュータ学
アナログって何?デジタルって何?って思った人は、読むと楽しく学べると思う。

痛快!コンピュータ学

痛快!コンピュータ学

 

こちらも参考になるはず。
Link「ayato@web|テレビデザインの基礎知識 05」