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問題解決記録集。

Pr)AVCHDのMTSの最適化でわかったこと。

(150131更新)

 

映像の編集において、以前はFinalCutPro(FCP)を使っていましたが、現在はAdobePremierePro(APP?)になってきました。なぜかというと、AVCHDの素材を読み込むときに、変換しないでもすぐに再生できるというのが非常に大きかったからです。PremiereProの場合、変換しない代わりにAVCHDの素材を「最適化」として、キャッシュを生成します。ここできちんと設定しておかないとキャッシュがとんでもない容量になることがわかったので対策法を書いておきます。これは、PremiereProのCS6〜CCを使っての話なので、将来改善されることを願いつつ。あとついでに、キャッシュ消去の確実な方法も書いておきます。以下、Macを使用した話になってますがWinでも基本は一緒です。ディレクトリが違うとか細かい違いはあると思いますが。

 

〓問題点
無駄なキャッシュを生成したくない。

 

〓解決法
読み込んだAVCHDのファイルの中から必要ないファイルをPremiereに読み込まない。

 

ということになります。気づいてしまえば簡単なんですが、ここに関して解説してるものがあまり見当たりませんでした。 Preludeでいい解決法があるかなとも思いましたが、動作が重すぎた上に無駄な作業が増えたので今回は使用しない方法を書いておきます。こっちの方が早いです。

 

まず、大前提としてキャッシュを元ファイルのとなりに置くようにします。 キャッシュを作るのも意外と時間かかるので、きちんと保存したいという意図です。

f:id:mossan99:20140706181005j:plain

今回は、CanonのHF-G10で撮影した素材を使います。
尺の長さは「02:53:50:15」です。
AVCHDはカメラにデータを収録する時点でデータが自動的に分割されます。
今回は7個のファイルに分かれてました。

 

AVCHDのファイルのデータ容量
00000.MTS|2.04GB
00001.MTS|2.04GB
00002.MTS|2.04GB
00003.MTS|2.04GB
00004.MTS|2.04GB
00005.MTS|2.04GB
00006.MTS|2.04GB
00007.MTS|1.67GB
*合計|13.91GB

 

つまり、今回の素材のデータ総量は13.91GBです。
まず、PremiereにAVCHDのファイルを読み込みます。
フォルダを丸ごと読み込めば自動で認識してくれます。
この自動認識のせいでいろいろ問題が発生するんですが。。。

f:id:mossan99:20140706180949j:plain

読み込んでみると上記のような表示になりました。
メディアデュレーションの表記が全部同じ数字になってます。これどういうことかというと、読み込む時点で7個に分かれていたファイルを自動的に連結して読み込んでくれたということなんです。つまり、分割ファイルの先頭の「00000.MTS」のファイルだけを読み込むだけでいいということです。
よくわからんが、別にこれでいいじゃんとも思う方いるかもしれませんが、放置しておくと大変なことになります。

とりあえずこのまま進めてみましょう。
PremiereProにAVCHD素材を読み込むと自動で最適化がはじまります。

f:id:mossan99:20140706181047j:plain

PremiereProにおける最適化で作られるキャッシュは主に以下のファイルのようです。

「.cfa」最重要。おそらく映像関係のキャッシュが入ってる。
「.pek」ピークファイルの情報を保存
「.mcdb」メディアデータベースのファイル
「.MZL」不明。データ容量が小さいので今回は無視。
「.xmp」ファイル内容を記載したメタデータ

としておきます。
一応、以下にも情報ありますが、いまいち欲しい情報は載ってない気がします。

http://help.adobe.com/ja_JP/Soundbooth/2.0/WSB3528AFB-CC74-4e66-AEB6-ED82815D7B23a.html

 

この中で重要なのは「.cfa」のファイル。その他のファイルは容量も小さいので今回は無視します。
とにかく「.cfa」のファイルを何とかしたいんです。

 

キャッシュの生成が終わったので、フォルダを確認します。
私の場合は、不可視フォルダも見えるようにOSを設定してるので表示が違うかもですが、いろんなファイルができてるのが確認できます。

f:id:mossan99:20140706181044j:plain

分割されたMTSファイルそれぞれに「.cfa」が生成されてます。
サイズはこんな感じ。

f:id:mossan99:20140706181021j:plain

約4GBです。
00000.MTS|2.04GB
あれ?元ファイルより大きい!これじゃキャッシュの意味がない!!!
結局「00000.MTS 48000.cfa」は統合されたファイル全体のキャッシュを作ったってことのようです。つまり、「00000.MTS」から「00007.MTS」までのファイルの合計のキャッシュです。それなら、この容量でも納得です。元素材の*合計|13.91GBでしたから。ただ、問題はその容量が各ファイルにできてしまってることです。

 

〓自動生成されるキャッシュの容量
00000.MTS 48000.cfa|4.01GB
00001.MTS 48000.cfa|4.01GB
00002.MTS 48000.cfa|4.01GB
00003.MTS 48000.cfa|4.01GB
00004.MTS 48000.cfa|4.01GB
00005.MTS 48000.cfa|4.01GB
00006.MTS 48000.cfa|4.01GB
00007.MTS 48000.cfa|4.01GB
*合計|28.07GB

 

つまり、7倍もの無駄な容量のキャッシュを生成していたことがわかりました。
今回は約3時間近くの映像素材のなので7個のファイルですが、今では9時間撮影した素材とかも普通にあるので、その場合は、素材容量だけで3倍なので、さらに21倍もの無駄なキャッシュを作ることになります。考えただけで恐ろしいです。。。
だからこそ、無駄なキャッシュを生成しない方法を知っておくべきでしょう。

 

そこで、「00000.MTS」だけを残して、「00001.MTS」から「00007.MTS」の素材を削除します。
削除といってもPremiereへの読み込みの削除ということなので、パソコン自体に素材データは残しておくことは忘れずに。

f:id:mossan99:20140706172621j:plain

今回はずっと録りっぱなしの素材だったので、対処が簡単でしたが、録画を途中で止めた素材とかもあると思います。その場合は、一旦全部Premiereに取り込んで、メディアデュレーションを見て、統合されて読み込まれてるかどうか確認して、必要ないファイルはPremiereから削除すればよいと思います。参考の別素材も出しておきます。

f:id:mossan99:20140706181035j:plain

Premiereからファイルを削除してもキャッシュは残っています。
「Premiereの環境設定>メディア」からメディアキャッシュデータベースは消去できますが、キャッシュファイル自体は削除できないようなので、今回はファイル検索と消去に「EasyFind」を使いました。 Finderの検索やSpotlight使っても全部のファイルが全然見つからないからです。このソフトはほんとに便利だと思いました。Winならエクスプローラーとかで普通に見つかるのかもしれません。

〓EasyFind

EasyFind

EasyFind

  • DEVONtechnologies, LLC
  • ユーティリティ
  • 無料

 

f:id:mossan99:20140706181010j:plain

f:id:mossan99:20140706181027j:plain

最終的に、フォルダ構成は以下のようになりました。
「.pek」もこっそり消しました。

f:id:mossan99:20140706181041j:plain

面倒ですが、これで無駄なキャッシュはなくなって、問題は解決したと思います。見た目もファイル容量もかなりスッキリです。Premireの環境設定とかで、キャッシュの管理がきちんとできればいいんですが。。。今後の改善に期待します。

〓追記
今回の記事は、Evernoteで下書きしてから作りました。
画像への文字の書き込みの簡単で非常に便利ですね。
http://evernote.com/intl/jp/