アナログキャプチャでioHDが活躍した話
(151118更新)
最近は、カメラもデータ収録なので、テープからキャプチャするっていうことはほとんどなくなりましたが、Hi8(ハイエイト)のテープをデジタイズしたいという相談があり、むかーし購入した「ioHD」というデバイスを久々に引っ張り出しました。「Hi8」とか「ioHD」って何?という人もいると思うので、以下参照。
◉Hi8(ハイエイト)
◉ioHD
Hi8は、いわゆる赤白黄のRCAケーブルで接続するアナログのビデオ素材で、画面サイズもSDサイズ(720pix*486pix)と小さいサイズなので、なるべく高画質でデジタル化したいという方向で進めていきます。取り込むためには、ioHDに付属の「AJA VTR Xchange」というソフトを使います。
◉「AJA VTR Xchange」
アプリのメニューの部分の「Capture>Video Settings」と入って、ソースの設定をします。 525i 29.97の8bitを選択しました。
この設定で取込み、データを確認したところ、ちょっと暗めの映像になり、ディテールが黒でつぶれてしまいました。ちょっと使えるレベルではないので、何が原因だろうと思い、ioHDの設定を確認するために、以下のソフトを使いました。
◉「IoHD AJA ControlPanel」
画面を確認すると、Analog Black Levelの設定をするところがあったので、そのあたりが原因のようです。 最初は、「7.5 IRE」となっていたので「0 IRE」に変更しました。
IREは「Institute of Radio Engineers」の略で、ビデオ信号のレベルの単位になります。 真白が「+100 IRE」と表記され、真黒を「0 IRE」にするか「7.5 IRE」にするかの設定ができる、ということのようです。 今回の素材のHi8はNTSCなので、本来は「7.5 IRE」が標準のようなんですが、よりディテールを残したいので、「0 IRE」にしておきます。 このあたり私も詳しくないので、以下のサイトを見れば、詳しすぎる説明が見れると思います。
◉ビデオ信号計測・生成の基本
この設定を元に再びパソコンに映像を取り込んでみたところ、黒でつぶれた部分がかなり明るくなって問題なくなりました。 これで解決かな、と思ったんですが、ioHDが、10bitで取り込めることをすっかり忘れていました。 パソコンで色のデータを扱うときは、通常は8bitで扱うと思うのでそれでもいいんですが、10bitにする分、デジタル化するときにサンプリング数が増えて、より高画質なデータができます。なので、10bitでやはり取り込むほうがいいだろうということで、取込みの設定を変更しました。
ちゃんと、10bitで取り込む設定があったので、こちらを選択。 無事に、Hi8の映像を高画質でデジタル化することができました。
本来は音の設定とか、取り込むときの圧縮の設定とかいろいろあるんですが、話が長くなりそうなので、それは別の機会に書こうと思います。 文章ばかりだとわかりづらいので、取り込んだ映像がどのくらい違うかを以下の画像でまとめておきます。
こうやって比較すると、ずいぶん細かい話をしているなあという感じなんですが、テレビに出すとよりハッキリ違いが出るので油断はできません笑。一番下の「7.5IRE 8bit」と一番上の「0IRE 10bit」をみると、人物の右目の部分のディテールが大分違うことがわかると思います。 「7.5IRE 8bit」のデータだといくらカラコレしても、右目のディテールは出てこないでしょう。
アナログ素材の場合は、デジタル化するといってもやり方次第で、随分違いがでるなあというので、勉強になりました。 音楽だと、CDのデジタルデータと比べてアナログレコードの方が音の成分が多くて云々みたいな話はよく聞きますが、映像でもデジタル化するにあたって、こうやってディテールが削られていくんだなあと実感もできて感慨深いです。
アナログ素材をパソコンに取り込もうとすると、今は安価でいろいろ出てますが、ここまでいろいろ設定できるioHDは貴重かもしれないです。
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